「子どものことを知りたい・寄り添いたい」親御様を応援します。当ブログの執筆スタンスについて

中学受験「あるある」な話題について

ありがたいことに、『中学受験の解体新書』も多くの方にご覧いただけるようになりました。今回の記事は、当ブログの「執筆スタンス」について書きたいと思います。

当ブログの執筆スタンス

当方は、以下のような方々を、「読者層」として想定した上で、記事を書いています。

「中学受験に対する情報に敏感で、『こうやって、スケジュール管理しましょう」『こうすれば成績は上がる』といった、一般論としての学習ノウハウ知識は既に豊富にお持ちである」

「しかし、日々の宿題やテスト結果に振り回されてしまい、わが子の個性にフィットした受験勉強について考えたり、子ども自身の成長を認めたりすることが、なかなか難しいと感じている」

「もっと、子どもの困っていることや、子どもなりの理屈を理解したうえで、寄り添ってあげたい。それがしたいのに、できないというジレンマがある」

このブログを通して、何度か授業をさせていただいているご家庭、また、その他多くの読者様は、上記にご理解・ご共感いただいていることと思います。

ただ、2年間ブログを運営してきて、最近、想定から外れる読者様も出てきたなと感じています。

そういった読者様に、学習に関するご相談をいただくこともありますが、私としては、スタンスの違うご家庭と接するのは、非常に勉強になるので、全く構いません。

ですが、ご自身にとって好ましいアドバイスを期待して、連絡していただいた方にとっては、私の助言や返答は「見当違い」のもののように感じるのではないでしょうか。そうなると、せっかく連絡を取っていただいた時間が、無意味なものになってしまうので、大変申し訳ないです。

まだまだ、私も発信の仕方が甘いですね。

今後、自分も気を付けていきますが、以下、想定から外れているパターンを2つ挙げますので、私の指導の受講をお考えの方や、メールで相談をされたいという方はご確認いただけると良いかと存じます。

(1) 子どもの個性は、非常によく理解なさっているが・・・

このブログでは、親が子ども自身の成長・個性を認めることの大切さについて書いてきました。

しかし、当たり前のことですが、親御様が上記さえできていれば、「偏差値が20足りなくても逆転合格できる」とか、そういうことではございません。それはまた別の話になりますので、ご注意ください。

中学受験は、通知表のように「君、最近がんばってるねぇ」で加点してもらえるシステムはないですし、あるいは、検定試験のように、合格基準点さえ取れれば、全員受かるものでもありません。

そうではなくて、他者との競争、それも一発勝負で合否が決まるものです。そして、模試の偏差値は、現段階での、他者と自分の学力差を表しています。

志望校に向けて、相対的な学力を上げるために、テキストの問題を「できる」ようにしなければいけません。そのためには、勉強量を確保すること、定期的に模試を受けることは重要です。

偏差値を「絶対的なものだ」と言うつもりは、全くございません。しかし、生徒の立ち位置を知るための、無視できない大きな基準にはなるとは考えております。

中学受験には激しい競争があるという現実や、受験勉強に関する一般的な考え方については、「読者様は、既に知っている」ことを想定して、このブログを書いていますので、どうかご理解くださいませ。

(2) 記事内容を、熱心に読んでいただいてはいるが・・・

また、記事を熱心に読んでいただいていても、「子どもの成長を見つめてほしい」という私の主張をご理解いただけていないようだな・・・、と感じることもあります。

突然ですが、美容整形で有名な医師の方が、YouTubeで以下のような体験談を語っていました。(※ 内容については、筆者が要約しています)

うちには、「あるマンガのキャラそっくりに、整形してください」というお客さんがよく来院されます。

そのため、「それは、できません」という動画を上げたところ、なぜか、逆に「キャラそっくりに、整形してください」という方が増えてしまいました。

その理由は、動画にある「あるマンガのキャラそっくりに、整形してください」の部分だけで、「私のことを言い当てられた!」「〇〇先生は、私の気持ちをわかってくれる!」と思いこんでしまっているから。

私は「できない」ってはっきり言っていますし、そういう趣旨で動画を制作しているんですけどね(苦笑)。

これはかなり極端な例だとは思いますが、私もうなづける部分はあります。

たとえば、この二つの記事は連続になっているのですが、後編だけ読んで、「私の気持ちをわかってくれる!」「親に優しい先生だ!」と思われた方もいるかもしれません。

ですが、記事全体の要旨は「子どもが伸びるか否かは、親の態度・取り組みにかかっている」「それをやらない(できない)という選択の結果は、おおらかに受け止めてくださいね」ということになります。

「自走」関連の記事も、非常に誤解されやすいのですが、結局のところ、「自走させたいなら、親の試行錯誤と、寛容さが必要になる」と言いたいのです。

しかし、「子どもが自走してくれれば、親が苦労や手間から解放されるはずだ」→「でも、うちの子は自走しない。困っちゃう」というお気持ちを持っていて、それを私の記事に投影してしまう(ご自分にとって、都合の良い読み方をしてしまう)読者様もいらっしゃると思います。

前回記事で、著書を紹介した熊野孝哉先生が、ご自分のホームページで以下のような内容を書いていました。

中学受験に限った話ではありませんが、大半の人は無意識の内に自分にとって「都合のいい情報」を求めてしまう傾向があります。「こうであってほしい」という願望が最初にあり、それを正当化してくれる情報(専門家の話、体験談など)を集めてしまいがちです。

私自身も、特に自分の専門外のことでは、その傾向があります。

例えば今後、何らかの重い病気になった場合、できれば苦しい治療は避けたいという思いから、苦しい治療をしなくても回復できるという専門家の話や患者の体験談、また苦しい治療をしても報われなかったという体験談を集めてしまうかもしれません。

(※ 出典:「​熊野孝哉公式サイト『「都合のいい情報」を求めない』」

熊野先生は「都合のいい情報を求めてしまう行為は、自分自身にその傾向があるということを自覚するだけで、かなり防ぐことができます」とおっしゃられています。思い当たる方は、お気をつけくださいませ。

ただ同時に、自分の方も、今まで以上に発信の仕方に気を使っていこう、と考えております。

まとめ:「子どものことを知りたい・寄り添いたい」方を応援します

最後にですが、「子どもの話を聞かず、自分の言いたいことばかり言っている親御様」や「子どもに失礼なことを言う態度をとる親御様」に対して、私は厳しいと思います。

親が子に失礼なことを言って、その隣で「そうですね~^^」みたいに、ヘラヘラ笑っている大人(=私のような受験関係者)がいるのは、子どもにとっては悪夢的状況としか言いようがないので、失礼なことは失礼と言わせていただきます。

このブログは、「子どもの困っていることや、子どもなりの理屈をもっと理解したうえで、寄り添ってあげたい。それがしたいのに、できない」方を対象に記事を書いていますが、そもそも「したい」というお気持ちが無い方もいらっしゃるのかもしれません。

あるいは、当初は持っていたのだが、「失った自覚がない」。SNS等で愚痴を言い合い、自分を肯定してもらう中で、エコーチェンバーの状態になってしまった。

子どもを思い通りにすることに一生懸命で、「私に従わないのは、子供が悪い」という思考でいらっしゃる方には、私からは、有益なアドバイスなどはできないと思います。ごめんなさい。

しかし、「頭ではわかっているのに、言ってはいけないことを、つい言ってしまった」とご自分で認識されている場合は、その内には入りません。

中学受験の激しい競争の最中にいれば、つい感情的になって、キツい言葉が口に出てしまうこともあると思います。すぐに、お子さんに謝っていただければ、お子さんも理解してくれますよ。

そういった方は、私のことを怖がらないでくださいね(笑)。これからも、当ブログをよろしくお願いいたします。


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