SAPIX本の感想記事の補足 & サピックス クラス分けの負の側面について

中学受験関連の書籍レビュー

以前書いた『SAPIXだから知っている頭のいい子が家でやっていること』という本の感想記事へのアクセス数が急増しているので、補足を書きます。

というのも、『SAPIXだから知っている(略)』に書いてある内容が大事だとは理解している。既に取り組んでみている。しかし、子どもの興味は勉強に向かない、と悩まれている読書様はいるはず。そういう方は私の記事を読んで、逆に悩みを深くしてしまうかもしれず、それは私の意図していないことなので、きちんと説明しなければいけないと考えたからです。

結論から申し上げますと、今のお子さまの成績、興味関心といった全てに、親御様の責任があるわけではありません。

人間誰しも、興味の幅や好き嫌いがありますし、人に影響されやすいタイプ・されづらいタイプという違いもあります。たとえば、私の身近な人が「プロレス最高! プロレス超楽しいから観てみてよ!! ◯◯が××でさ〜・・・」と、プロレスの素晴らしさを説いてきて、試合の動画などを見せてきたとしても、おそらくハマらないと思います(笑)。

これと同じように、「読書」の楽しさを親御様が子どもに、あの手この手で体感させようとしたとして、「どうしてもハマらない」という子もいるのです。「子どもの興味をひき出してあげられないのはダメなんだ」というように、ご自身を責めすぎないでください。お子様の人生は長いですし、これから色々なことに興味が持てればいいんだと、おおらかに受け止めていただければ幸いです。

ただ一方で、当ブログを訪れる親御様としては、やはり成績を伸ばしたい、というお気持ちを持つ方が多いはずです。プロ視点から率直にいえば、テキスト学習にひたすら取り組むだけでは、どこかで「数字」は出なくなります。そのため、必要なことは伝えなければいけないと考えて、『SAPIXだから知っている(略)』のレビューを含め、親御様に推奨したいお子様への関わり方について、さまざまな記事を書いてきました。

「クラス分けが激しい」という、サピックスの負の側面

あの本を高く評価したことで、私が「サピックス推し」のように見える読者様もいるかもしれません。まあ、推しではないですね(笑)。塾はどこでもそうですが、サピックスも例外に漏れず、一長一短があると思っています。

サピックスの負の側面として、クラス分けの激しさが挙げられます。私からすると、親御様や子どもを必要以上に脅かし、疲弊させているように見えるのです。本来、塾のクラス分けとは、子どもに適切なレベルの授業を受けてもらうためにあります。それを考えたとき、4~5クラスならまだしも、何十クラスも小分けにする意味ってありますかね・・・? そもそものところ、一つの校舎において、塾生数を取り過ぎているから、やたらとクラス数を増やさざるを得ないわけです。すなわち、子どもへの配慮というより、運営側の事情から、あのような大量のクラス数になっているに過ぎません。

また、塾の「クラス昇降」は、子どもにもわかりやすい形で己の立ち位置を知ってもらい、「上のクラスにあがりたい!」とやる気を出してもらうためにあるべきだと考えます。子どもは、偏差値といった抽象的な事柄を、本質的には理解できないからです。(子どもだけでなく、実は親御様でもきちんと理解されていない方は多いのですが)

親が受験に今ほど干渉しなかった時代は、クラス昇降が健全な形で機能していたのだと思います。しかし、今は受験勉強を親が手伝うのは当たり前ですから、子どもよりも先んじて、親御様が「上のクラスにあがりたい!」「クラス落ちしたくない!」と躍起になってしまい、子どもの自然な感情を奪うような結果になっているな、と感じます。

本当に色々と親御様を悩ませるようなことの多い中学受験ですが、これからもみなさまのお役に立つような内容を発信できればと思っております。今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。


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