こんにちは。中学受験の家庭教師 鳥山と申します。
家庭教師を探すとき、選択肢は主に3つあります。「(1) 知人からの紹介」、「(2) ネットで探しての個人契約」、「(3) 家庭教師センター」。
家庭教師の探し方や選び方に「正解」はありません。
「知人の紹介が安心だ」「センターが無難だ」といった声も耳にしますが、いざ決めようとすると迷いが出るのが普通です。
そこで、本記事では、家庭教師の選び方について、各ルートごとのメリットや注意点を書きました。
ぜひ一度立ち止まって、「本当に、この方法でいいのか?」を考える材料にしてみてください。
家庭教師の選び方|紹介・個人契約・センターのメリット・デメリット
「知人からの紹介」、「ネットで探しての個人契約」、「家庭教師センター」、それぞれのメリット・デメリットを整理してみます。
1.知人からの紹介
・ 事前に、先生の「人となり」「指導方法」などがわかる。(※ ただし「紹介者の主観」が大きく入っていることに注意)
・ 知人がその先生に教わって成功しているのなら、少なくとも「おかしな人」ではない。
・ 先生の指導を、知人が「良い」と言っていたとしても、自分の子にとって「良い」とは限らない。
・ 指導をやめる際、知人に対して気まずい。また、新しく先生をつける場合、一から探すことになり手間と時間がかかる。(※ 特に小6など、リミットが迫っている場合はマイナスでしかない)
2.ネットで探しての個人契約
・ ブログやSNSを確認することで、先生の「人となり」「指導方法」などがよくわかる。(※ ただし「選ぶ側の読解力・観察眼」が必要)
・「紹介」と違って、紹介者の主観が入らず、「自分の目」で精査できる。また「家庭教師センター」と違って、短時間での見極めを強いられることがなく、時間をかけることができる。
・ 先生の見極めが上手くできないと、最悪の場合、「おかしな人」を引く危険性がある。
・ その先生をやめて、新しく先生をつける場合、一から探すことになり手間と時間がかかる。
3.家庭教師センター
・ 家庭教師センターの登録をするためには、面接試験をクリアする必要がある。ゆえに「おかしな人」は少ない。
・ 先生と相性が合わなかった場合、家庭教師センターに伝えるだけでいい。スピーディーに、次の「条件に合う先生」を紹介してくれる。
・ 先生のプロフィールは最低限しかもらえないので、「人となり」「指導方法」は、実際に会ってみないとわからない。
・ 体験授業で、いきなり先生と顔を合わせることになるので、超短時間で自分の子に合うか・合わないかを見極めなければならない。
家庭教師を「知人の紹介」で決める前に知っておきたいこと
当方は文系の家庭教師をしているのですが、親御様から「理数系の家庭教師を紹介していただけませんか?」と相談を受けることがよくあります。
そこで、「なぜ、みなさんが家庭教師を紹介で決めたくなるのか?」について考察してみました。
その答えは、次の2点でしょう。
(1) 家庭教師の探し方や、選ぶ基準がよくわからないから。
これはよくわかります。
(2) 知り合いに「良い先生ですよ」とおすすめされると、何となく「良さそう」な感じがするから。
この感じ方は、ごもっともな面もありますが、少し注意が必要な部分もあります。
なぜ、「知人の紹介」には安心感があるのか?
まず、私が「ごもっとも」と考える理由を説明しましょう。
たとえば家庭教師センターに依頼したとすると、体験授業当日までどんな先生が来るかわかりません。
もちろん、年齢・学歴・教え子の合格校など、ある程度のスペックは事前に教えてもらえますが、それ以外の情報、たとえば「人となり」「指導方法」は完全にブラックボックス。
そのため、不安を覚える方がいるのは当然です。
だから、知り合いが太鼓判を押している講師の紹介をお願いする。このようなお気持ちはよくわかります。
「知人の紹介」を過信すると、失敗することもある
一方で、知人の紹介を過信してしまうと、失敗することもあります。
なぜなら、「本来は、家庭教師指導に求めるものは人それぞれ違う」、「他人が『良い』と言っている先生が、自分の子にとっても良いとは限らない」からです。
先輩ママが「あの先生は良かった!」と大絶賛していても、その先生が自分の子には合わないということもあるわけです。
「だとしても、家庭教師センターで『ガチャ』をするよりはマシだ」と考える方もいるかもしれませんが、センターのほうが「楽」ではあります。
家庭教師センターであれば、ある先生と合わなければ、すぐに別の先生を紹介してもらえます。
しかし、センターを経由していないと、一から先生を探し直さなければいけません。
次に良い先生に巡り合ったとしても、その先生とはスケジュールが合わなかったり、指導が可能な地域ではなかったりして → 探し直しになる事態もあり得るので、時間の大幅なロスが発生します。
「知人の紹介」を成功につなげるためのポイント
「知人の紹介」を受ける場合は、デメリットもきちんと理解したうえで、家庭講師の先生に「指導を通して、何を求めるか?」を、なるべく具体的にはっきりさせておいたほうがいいでしょう。
「あの家庭も上手くいったんだし、うちも上手くいくはずだ」程度の認識で、何となく指導開始すると、「・・・何か違う?」になります。
私が現在教えている中にも、卒業生や知り合いの講師からの紹介を受けた生徒は数名いますが、体験授業前には、ご家庭と私自身の考え方のすり合わせを必ず行いました。
家庭教師を「個人契約」で探すときの注意点 & 向いているご家庭
「個人契約の家庭教師を探す」のであれば、問い合わせ前にブログやSNSを読むことで、その講師の「考え方」や「人となり」を、じっくりと知れる点が大きなメリットです。
ただし、それが可能なのは、「読解力・観察眼」のある方でしょう。
すなわち、「誰にでもできることではない」点がデメリットといえます。
もし、「読解力・観察眼に自信がない」のであれば、個人契約の家庭教師を探すのは避けていただいたほうが無難だと思います。
なぜなら、ネット上では「さすがにまずいな」と感じる先生を見かけるからです。
私は、他の同業者の方の指導方法については、全くどうこう言うつもりはありません。そうではなく、「それ以前」の事柄について述べたいのです。
たとえば、ブログで著作権違反を平然と行っているとか、SNS等で暴言を吐いているとか、自分を大きく見せるために他者への批判を繰り返すとか、そういった言動です。
個人契約をするなら、表面的な情報だけ見て「良さそう」と思うのではなく、どういう人物なのかを、真に読み取る必要があります。
ご家庭側としては、先生に住所を教えて、自宅に上げるリスクが発生するのです。そして、親子で毎週、その先生と膝を突き合わせて話さなければいけません。
家庭教師指導は、「(子どもに)行っておいで!」だけで成りたつ「塾通い」とはわけが違うのです。親御様として、想像力を持っていただきたいと思っております。
塾とは違う。「個人契約の家庭教師」を選ぶリスクと覚悟
なぜ、ここまで強く言うかというと、私にも新規のお問い合わせの方から、最初のメールで、いきなりご住所が送られてきたことが、今まであったので・・・。
先方が「ブログ内容に感銘し、筆者(私)を信頼したから、ご住所を送ってくださった」ということではありません。
たとえば、「既に募集を締め切っている学年の指導を依頼する」等、ブログを読んでいらっしゃらないことが、メールの文面から伺えるのです。
いわば、私がどういう人物か判断なさらないまま、「この住所に、〇〇才の子どもがいますよ。性別は・・・」などと送っているわけです。
一刻も早く指導を受けたいと、焦っていらっしゃるお気持ちはわかります。
しかし、お子さんのことを考えると、本当に危険だと感じたので、注意喚起として書かせていただきました。(※ もちろん、依頼はお断りした上で、先方の個人情報は責任もって破棄しています)
また、そこまで極端な話ではなくても、親御様に「読解力・観察眼」が不足されているのなら、個人で講師を探すことの「メリット」はなくなってしまいます。
個人契約で申し込む前に確認すべきこと
ご自身の「読解力・観察眼」を確認するための、一つの方法をお教えしましょう。
ネットで見つけた先生に依頼する前に、「子どもの家庭教師が、その先生でなければいけない理由」を、パートナーの方などに、自分の言葉で説明してみてください。
理路整然と伝えることができて、相手に納得してもらえた場合、あなた様は、「読解力のある・きちんと思考できている方」なので大丈夫だと思います。
「家庭教師センター」を活用したほうがいいケースとは?
紹介してくれる知人がおらず、「自分には、ネットの文章を読んで人を見抜く目はないな」という方、また、受験が差し迫っている場合は、「家庭教師センター」にお願いしましょう。
特に、今(夏休み前)、小6の場合は、家庭教師センターに依頼するのが合理的だと思います。
家庭教師を検討しているということは、切迫した状況であるはずなので、先生を「選んでいる」余裕などない、ということはご理解いただいたほうがいいです。
力のある講師・経験豊富な講師は、今の時期には指導枠が埋まっているので、なかなか空きはありません。
仮に運よく空いていたとしても、講師とご家庭とでスケジュールが合わなかったり、指導可能地域でなかったりする場合もあります。
このように、家庭教師の指導を受けるには、「タイミング」や「運」も大きく絡むのです。色々な意味で、ご家庭側の「割り切り」も必要です。
かつては、私も小6の夏前から指導をスタートすることもありましたが、「今の時期」から来る依頼は、「それより前の時期」と比較した際に、傾向の違いが見られました。
まず、生徒に望ましくない学習姿勢が染みついてしまっていて、改善に時間がかかる。
もしくは、親御様として「強いこだわり(率直に言えば「偏り」)」があって、こちらのアドバイスを受け入れていただくのに、時間を要することもありました。
ですので、今(夏休み前)小6で「本気で現状をなんとかしたい」のであれば、一刻も早く家庭教師をつけていただいて、親子共にその先生のアドバイスを、素直に受け入れていただくことが大切だと思います。
「一刻も早く」という条件を踏まえると、やはり家庭教師センターに依頼するのがベストでしょう。
家庭教師、どのルートで探す?迷ったときのフローチャート
最後に、ここまでの内容を踏まえて、「家庭教師選びのフローチャート」を作成しました。ぜひ、ご活用ください。
【家庭教師選びフローチャート】
Q1. 紹介してくれそうな知人がいるか?
→ YES → Q2へ
→ NO → Q4へ
Q2. その知人の「教育観」や「お子さんの性格」が、自分の家庭と似ていると感じるか?
→ YES → 【紹介ルート】検討の価値あり
→ NO → Q3へ
Q3. 紹介された先生が合わなかった場合、自分で探し直す時間や労力をかけられるか?
→ YES → 【紹介ルート】リスクを承知で試しても可
→ NO → 紹介ルートは避け、【家庭教師センター】が無難
Q4. ネット上の文章を読んで、「人となり」や「指導観」を自分なりに読み取れる自信はあるか?
→ YES → Q5へ
→ NO → 【家庭教師センター】が無難
Q5. 依頼したい先生に対して、「なぜこの人なのか」を自分の言葉で説明できそうか?
→ YES → 【個人契約】検討の価値あり
→ NO → 【家庭教師センター】が無難
▼選択結果まとめ
- ✅ 紹介ルート:知人との教育観が近く、リスクも織り込める場合にのみ有効。
- ✅ 個人契約:読解力と観察眼があり、自分で判断・交渉できる方向け。
- ✅ 家庭教師センター:急いで探したい or 人を見る自信がない方向けの無難なルート。
※ 当方の家庭教師の生徒募集は、2025年 2月末に終了しております。
現在は、現小3~小5生の「2026年度の予約」のみ受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。
他にも「家庭教師・個別指導塾を選ぶ際の考え方」について、このページ下部の【関連記事】にて綴っております。ぜひ、ご覧ください。
家庭教師の生徒さんを募集しております。(指導科目は国語・社会)
詳しくは以下の「筆者プロフィール」のページをご覧くださいませ。
https://kaitai.blog/2023/04/26/profile_2023426/
筆者メールアドレス
oosugi.genpaku@gmail.com
【関連記事】