中学受験 社会の思考力をつけよう! 旅行を通して遊ぶ「推理ゲーム」の紹介

「社会」の指導・学習法

先日、麻布中学 2023年 社会の入試問題についての分析記事を書きました。その中で、麻布合格に必要な力として、論理的推測力を挙げました。

論理的推測力とは、少ないヒントから、一番自然な答えを導き出す力のことです。麻布だけでなく、駒東、海城、鴎友、渋渋、渋幕などでも同様の力は求められます。(どんな入試問題として問われているかについては、詳しくは麻布の記事をご覧ください)

この記事では、論理的推測力を伸ばすために、中学受験を目指すご家庭に広くおすすめできる遊びを紹介しましょう。

「推理ゲーム」で、社会の思考力をつけよう

歴史的建造物や史跡を訪ねる前に、『旅のしおり』として、成立時期や理由について、子どもに調べものをさせる(あるいは、旅行終了後にレポートをまとめさせる)ご家庭があるようです。

それもハマる子なら楽しいと思いますが、逆に、あえて下調べせずに旅行に行くのも面白いですよ。私からは歴史的文物の成立時期/成立理由を推理するゲームをおすすめしたいです。

たとえば、神奈川県 鎌倉市に「長谷寺」という寺院があります。「長谷観音」という愛称や、6月にはあじさいが美しく咲くことで、関東圏では有名ですね。東京の公立中学出身の方であれば、遠足でも訪れていることと思います。

そこで、この寺が建立された理由を推理してみましょう。パンフレットを見ると、創建の時期は、おそらく736年(天平8年)ではないか、とされています。では、その前後にどんな出来事があったか? この時代はどういう時代だったのか? 教科書の知識と結び付けて考えると、思い浮かぶことはあるはずです。

長谷寺創建から5年後、741年に国分寺建立の詔、743年に大仏建立の詔が出ています。何故、これらの勅令がくだされたかといえば、当時の聖武天皇が、飢饉や疫病(天然痘)や反乱を治めようとしたからです。ですので、もしかしたら、長谷寺に関しても、そういった社会的混乱を鎮めるためにつくられたのではないか? と想像できます。

この寺の創建の経緯は、正確には判明していません。また、歴史の専門知識がある方からすれば、上記の推理には色々とつっこみどころが満載だとは思います・・・(笑)。

ですが、私が伝えたいのは、「こうやって遊ぶのは楽しいよ!」ということです。自分も旅行する度にやっています。私が子どもの頃は、きっぷに四桁の数字が書いてあり、四則演算で下一桁をゼロにする、という遊びが流行っていて、電車でどこかに出かける度に挑戦していましたが、そんなノリ・習慣です。

受験に関わる者として、功利主義的な言い方をすれば、この推理ゲームをやっていると麻布、駒東、海城、鴎友、渋渋、渋幕などの入試問題で要求される、少ないヒントから、自然な答えを導き出す思考力はついてくると思います。

ちなみに、過去に長谷寺の建立理由を考えた際、自説をなんとか補強できないかなと思って、色々調べてみました。すると、天然痘は735年(天平7年)から737年(同9年)に大流行しており、日本の総人口の25~35パーセントにあたる人たちが死亡。その当時政権を握っていた藤原四兄弟も天然痘で命を落とした・・・という記述を見て、「そういえば、これ大学入試のときに勉強したわ!」と膝を打ったという経験があります(笑)。こういった、+αの知識がつくのも、このゲームの魅力ですね。

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