このブログでは、家庭教師の立場から、中学受験生の自走の大切さについて書いてきました。ですが、難易度の高い中学受験。全てを子ども任せにしても、上手くいかなくなります。
では、親が子どもの勉強に関わるタイミングとは、いつなのでしょうか? また、どういった内容には関わるべきなのでしょうか? 今回の記事では、「子どもの勉強に関わるべきタイミング」について書きます。
(※ 前回記事→ 中学受験 いかに子どもを自走させるか?(前編)-親の心構えのススメ )
◆ 入塾当初 → [宿題のやり方、暗記のやり方、復習のやり方、スケジュール管理]を手伝う
公立小学校と、塾で出されている宿題を比較してみましょう。塾の宿題は、入塾したての幼い子が、いきなり「やっておけよ」で、一人で取り組めるものではないことは一目瞭然だと思います。
また、塾では暗記ものの小テストが頻繁に実施されます。公立小学校のテストは「覚える」というワンステップを挟まなくても、余裕で点数が取れます。
ですが、塾の小テストは、最初は親が暗記に付き合ってあげなければ、いつまでも点は取れないですし、その子の自己肯定感を下げることに繋がってしまいます。
つまり、入塾当初は親が手取り足取りで、子どもに勉強のやり方を示していく必要があります。ある程度、やり方が身に着いたら、手を放すようにしましょう。放すときは「少しずつ」が大切です。
たとえば、今は一週間のスケジュールを、親が全部管理していたとして、いきなり「明日から全て一人でやりなさい」は鬼です。
ですので、まずは、本人にスケジュールを書き出させてみる。親から見て「甘いな」と思っても黙っておいて、一週間が終わったあとに、子どもと一緒に「今週の勉強はどうだった?」と一緒に振り返ると良いでしょう。前回記事にも書いたように、一時的に成績が落ちる期間が続くこともありますが、得られることは大きいはず。
子ども自身の性質や、今までの親の関わり方によっては、結果的に、入試当日まで大きくは手を離せないこともあるでしょう。それは仕方がないことですが、何か少しでも、子どもに任せてみる姿勢は持っていただけると良いと思います。必ずや、お子さんにとってのプラスにつながります。
また逆に、入塾段階からずっとお子さんを手伝わずにきてしまい、高学年になって「子どもが全然勉強しない(あるいは成績が上がらない)」と、親御様が嘆いているのであれば、むしろ、今から手取り足取り勉強を手伝う必要性はあるかもしれません。
ですが、学習内容の難易度が高くなっている上に、子どもも大きくなっている分、言うことを聞かず、なかなか上手く行かないことも多いはずです。
そうであれば、本人意思に任せたうえで、「自分の子を他人と比較しない」 「点数を誉める・誉めないの基準にはしない」 「 <<本人ベースで>>、良い意味での行動変化があれば肯定する」 という構えに移行されるのも良いでしょう。その方が、お気持ち的には楽だと思いますし、逆説的に成績の伸びも期待できます。
◆ 入塾以降ずっと → [今、塾ではどんなことを学習しているのか? 今後どんな学習をするのか?]を親が知っておく
親御様が学習内容すら把握していないと、それは「子どもの自走」というより、「親御様の無関心」あるいは「無知」となってしまいます。塾でどんな勉強をしているのか?、今後どんな勉強をするのか? といったことに対して、常にアンテナを張っておいていただきたいです。
身近な例を挙げます。集団塾にいたとき、保護者会や講習会の案内書類を配ると、上位クラスは早い段階で申込書類が揃うのですが、下位クラスはなかなか提出されないという、絶対的な傾向がありました。
そして、〆切過ぎても音沙汰がないので、ご家庭に電話してみると、「知りませんでした」「なくしてしまったようなので、再配布お願いします」といった返答がかえってきます。
親御様がこうなってしまうと、普段、子どもがどれだけの難易度の勉強を、どのようにがんばっているのかについても、理解が浅くなってしまいます。子どもが子どもらしく努力しても、「偏差値」は安定しづらいのが中学受験の特徴です。(※ 高校受験と違って、母集団の能力が高く、しかもみんながんばっている。何なら成績がいい子は、親がガチガチ管理で勉強させていることもある)
親御様がテスト結果だけ見て、無闇に騒ぐようになってしまうと、決して上手くはいきません。
逆に、仮にお子様が自走が出来る子だとしても、小学生は小学生です。親は普段から何を勉強しているのかを知っておいて、いざ本人が困ったときに、いつでもアドバイスできるようにしておく。また、関心を持てば、子どもの行動の変化や、ちょっとした成長にも気づきやすくなって、「よくやってるじゃん!」と言えるようになり、全てが好転していきます。
先ほどの項と結論は同じですね(笑)。
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