中学受験における「まさか」の不合格と、自走の大切さ

中学受験「あるある」な話題について

2023年度の入試から、1ヶ月強が経ちました。今回は、入試に関する思い出話をしたいと思います。

「まさか」は、なぜ起こるのか?

2023年以前のことになりますが、成績的には合格するだろうと思っていた教え子(以下、Aさんとします)が、第一志望校にまさかの不合格になってしまったときは、色々と考えさせられました。

Aさんの受けた名門校は、一発入試(複数回入試がない)なので、問題運、当日の体調、緊張など、実力以外の部分で結果が左右されがちです。不合格だった要因なんて、実際のところ、正確にはわかりません。ただ、Aさんの場合、これまで周囲の大人がいろいろとお膳立てしてきて、入試当日を迎えてしまった。その点に私は後悔しています。

結論を言うと、Aさんは、精神的にボロボロになりながらも、最後の最後で凄まじい倍率の入試にチャレンジし、見事に勝利をおさめることができました。親御様は「これ以上、傷つくのが嫌なら、もう受けなくていい」と伝えたのですが、本人が自ら「それでも受験したい」と言ったそうです。

合格後にAさんと会ったら、中学校での新生活を楽しみにしている様子で、心から安心しました。結果として、彼の中学受験は良いものとなったわけですが、講師の自分としては、反省することしきりです。

いかに、子どもに自走させるか?

最近の中学受験は、保護者様が付きっきりで勉強を見ることが常識のようになっています。

一昔前にありがちな「子どもの勉強内容に関心は全く無い(あるいは、何をやっているか理解できない)が、テスト結果にだけは口を出す」ようなスタンスと比べたら、学習にみっちり付き合っていくほうが、個人的にはむしろ全然良いと考えます。中学受験は、本人意思で始めることはまずありえなくて、親御様の誘導があったはず。そして、親が勉強に付き合うことで、その責任を取っている、といえるからです。そういう意味で、親御様たちの頑張りは、リスペクトしているのですが・・・。

手取り足取りがすぎると、子どもはどこかでその代償を支払わなければいけなくなります。考えてもみてください。ずっと受け身で、与えられたことだけを享受している人間が、いざ自力で考えなければいけない機会に直面したらどうなるか? もちろん、対処できなくなるわけです。

そして、それがどのタイミングで来るのかは、子によりけり。中受の段階では、親御様が過保護を貫いて、「成功(※ 合格校の偏差値的な意味で)」で終える場合もそこそこあって、その事実が事態をより複雑にしているように感じます。

自走か? 手取り足取りか? 保護者様の判断として、難しい部分があると思います。私も自走の大切さを綴ってきましたが、中学受験の難易度を考えれば、絶対に、保護者様が子どもに手を貸さなければいけない場面があるのも確かです。今後このブログを通して、少しでも、親→子の勉強の関わり方のヒントになるような話を伝えていきたい、と考えています。

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