小6 国語のテストは、「設問の読み方」で差がつく (その1:サピックス マンスリーテスト&組分けテスト)

「国語」の指導・学習法

中学受験も、小6以降になると、テストの問題が難しくなります。テキストの基本問題においては、それなりの正答率であるが、テストとなると以前よりも〇がつかなくなった。あるいは、サピックスオープン、週テスト Sコース、NN志望校別オープン模試など、ハイレベルな問題になると、なかなか上手くいっていない、というご相談をよく受けます。

今回はそのようなお子さんに向けて、「設問解釈(問題文の読み方)」の大切さについて書いてみたいと思います。

「設問の読み方」で大切なこと。マンスリーテストを例に挙げて紹介

小6以降の国語で上手くいかない要因の一つに、「設問の読み取りが難しく、記述で書くべき方向性がわからない」ということ考えられます。

昨年(2022年)4月実施の『サピックス マンスリーテスト(小6)』から例を挙げてみましょう。

問:「満吉は、ひで(母)から、予想をこえた道具代を受け取ると、『やっぱり、おっかあだ』と胸が熱くなった」とありますが、このときの満吉の気持ちを説明しなさい。

サピックス 2022年4月 『小6 マンスリーテスト』

この問題を考える際には、「やっぱり、おっかぁだ」のの「やっぱり」という表現に注目します。こういう言い方をするということは、以前、万吉は母親に対して、他に思っていたことがあったが、道具代を受け取ったことをきっかけに、「やっぱり、おっかあだ」と感動した、ということになります。

要するに、この問題文を読む際には、「やっぱり」という言葉をヒントに、昔と現在とでの母への思いの変化(対比)を書くべき問題だ、という解釈をする必要があるのです。

仮に(中学受験知識のない)四大卒の大人に、この問題を解かせてみたら、多くの人が「胸が熱くなった」の部分だけを説明するようにも思います。それほどに、この設問を解くには、問題を読む際の「観点が必要なわけです。

ちなみに、2023年 3月実施の『サピックス 組分けテスト(小6)』にも同様の問題はありました。

問:「今度はあたしがため息をつく番だった」とありますが、このときの「あたし」の気持ちを説明しなさい。

サピックス 2023年3月 『小6 組分けテスト』

これについても、「今度はあたしの番だった」とあるわけですから、他にもため息をついた人がいることになる。その人物の気持ちと、あたしの気持ちを対比して書けば良い問題です。

この手の問題で厄介なのは、模試の解答解説には、ここまでで書いてきたような「記述解答をどう書いていくか?(設問の着眼点)」については何の説明もないという点です。ですので、復習の際は、指導者が子どもに対して、「設問文の着眼点」を示してあげる(ヒントを出してあげる)ことが大切です。

上記の観点無しで、漠然とテスト直しを実施しても、核となる考え方がわかっていないので、ただ答えや解答解説を写すに等しい作業をするだけになってしまいます。次に類似の問題が出題された際、気付けるような復習の仕方が大事ですね。


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