読み聞かせで読書習慣をつける! 小3〜小5におすすめの本 vol.1【中学受験】

小学生におすすめの本(読書について)

こんにちは。中学受験の家庭教師 鳥山と申します。

「小学生に読み聞かせるのに、おすすめの本が知りたい」
読書に慣れていない子でも、楽しめる本を探している」

そんな親御様に向けて、国語指導者の観点から、「読みやすさ・引き込まれやすさを重視した良書」をセレクトしました。

今回ご紹介する5冊の本は、小学3〜5年生の子ども向け。

読解力や思考力のベースを育てながら、「本って面白い」と感じられる読書体験を届けたい。そんな願いで選んでいます。

なお、ストーリーの結末部には触れていませんが、軽いネタバレはあるのでお気を付けください。

※ 関連記事: 『【中学受験】国語偏差値30~45から脱出する方法は、「読み聞かせ」しかない』

【意外なオチ】『きまぐれロボット』 星 新一

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きまぐれロボット 星 新一(著)

【あらすじ】

「なんでもできる」はずのロボットが大暴走。しかし、それは「仕様」だった・・・? 

あっと驚く結末が魅力の「ショートショート」が多数おさめられた短編集。

【おすすめポイント】

  • 一つ一つのお話が非常に短いので、ちょっとしたスキマ時間に読み聞かせしてあげられます。
  • 起承転結が明瞭で、集中が続かない子にも向いています。
  • 毎回、意外な結末になるので、「今回は、どんなオチになるんだろう?」と想像力がふくらみます。
  • クイズ形式にして、親子で「オチ」を当てっこするのも面白そう。
  • 筆者・鳥山の書いた『きまぐれロボット』の詳細なレビュー記事は以下です。

【異質な世界観】『びりっかすの神さま』 岡田 淳

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びりっかすの神様 岡田 淳(著)

【あらすじ】

主人公の「木下 始」が転校したのは、国語、算数、体育、読書、そうじ、忘れ物の回数など、何でも「競争」するクラスだった。席もテストの点数で決まる。

最後尾「びりっかす」の席に座らされた始だったが、突如、「羽の生えた小さな男」が見えてきて・・・。

【おすすめポイント】

  • 塾であれば、成績で席順が決まるのは普通のこと。でも、「学校」で「何でもかんでも順位」がつけられるのは異質な状況。奇妙な世界観に一気に引き込まれます。
  • 勉強やスポーツができる主人公は、「びりっかす(羽の生えた男)」を見たいがために、わざとびりになる。
  • しかし、「有能さがぽろっと出てしまい、クラスメイトをびっくりさせる」という展開は、今流行りのアニメ等と似たエピソードで、小学生の子は好むはず。
  • 勉強ができなかった登場人物も、びりっかすや主人公との関わりの中で徐々にできるようになっていく。
  • 「『競争させられること』と『自ら必死にがんばること』は別物だ」という作者の哲学が自然と伝わってきます。

【親近感あるキャラ】『チキン!』 いとうみく

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チキン! いとうみく(著)

【あらすじ】

小学6年生の「日色 拓」は、ケンカや揉め事が苦手で、あらゆるトラブルを避けて生きてきた。

しかしある日、言いたいことを何でも口にする「真中 凜」が転校してくる。凜の強い言動に反発を見せるクラスメイトもいれば、逆に好意を持つ者も。

拓はといえば、凜の起こすトラブルに次々に巻き込まれ、もう散々。ある日、クラスメイトと揉めた凜は学校を飛び出してしまい、拓も後を追うことになる。

【おすすめポイント】

  • 「ケンカや揉め事が苦手な拓」と「言いたいことは何でも言う凜」のコントラストがきいており、「自分はこっちのキャラに似てるな」などと考え、ストーリーに没入できます。
  • 凜が次々とトラブルを起こすので、ある意味、読者を飽きさせません。
  • 全く違う二人が、お互いを理解していく様子が、生き生きとした文体で描かれています。
  • 四谷大塚の小4テキストでも登場する文章。既に問題で取り組んでいて、続きが気になっているという子にもおすすめ。

【王道展開】『キャプテンはつらいぜ』 後藤竜二

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キャプテンはつらいぜ 後藤竜二(著)

【あらすじ】

主人公の「勇」が所属する少年野球チーム「ブラック=キャット」は存続の危機に見舞われる。次々とメンバーがやめていき、野球をするだけの人数が足りなくなってしまったのだ。

成り行きでキャプテンをやることになった勇は、札付きの不良である「秀治」をチームに引き入れようとするのだが・・・。

【おすすめポイント】

  • 「ピンチ → 仲間との関わり → ピンチからの脱却と成長」という王道展開に引き込まれます。
  • 「人間関係の難しさ」という抽象度が高めのテーマを扱いつつも、次々と起こる出来事・事件が物語に起伏を生み出しています。
  • 読みながら、クラスの友だちとの関わりを思い出して、「確かに、この本みたいなことってあるな」と共感できるかも。
  • サピックスの『Bテキスト』でも登場する文章。既に問題で取り組んでいて、続きが気になっているという子にもおすすめ。

【猫が主人公】『ルドルフとイッパイアッテナ』 斎藤 洋

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ルドルフとイッパイアッテナ 斎藤 洋(著)

【あらすじ】

うっかり長距離トラックに乗ってしまった、飼い猫の「ルドルフ」。たどり着いたのは、見知らぬ街・東京。そこで、野良猫の「イッパイアッテナ」に出会い、二匹の交流が始まる。

博識なイッパイアッテナから、ルドルフは「猫の世界」「人間の世界」の何たるかを教わる。

字の読み書きを習得したルドルフは、自分の故郷が「岐阜」であることを知った。そこで、帰郷の計画を立てるのだが、事件が起こる。

【おすすめポイント】

  • 「おぼっちゃま猫のルドルフ」と、「野良猫イッパイアッテナ」のキャラクターが、それぞれ魅力的。
  • 人生経験が豊富なイッパイアッテナが、ルドルフにする数々の話は「訓示」ではありつつ、全く説教臭くなくて面白い。
  • むしろ、自分もルドルフになった気分で、「先輩猫」の話をもっと聞きたくなります。
  • 猫から見た「猫の世界」「人間の世界」がアイロニックに描かれてユーモラス。
  • 終盤に大きな事件が起こり、ルドルフはあるキャラクターに戦いを挑むことになるのですが、緊迫感にハラハラドキドキさせられます。

このシリーズでは、「読書に慣れていない子でも楽しめる本」「小3〜小5の読み聞かせに向いた本」をテーマに、今後もおすすめ作品を紹介していきます。

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