四谷大塚『四科のまとめ』は、「使いやすい」と評判がいいですね。確かに情報量は抜群ですし、全てが問題形式になっているという意味では、非常に良い教材だと思います。
ですが、「うちの子は、どうも『四科のまとめ』が進めづらいようだ」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今回はそういったお子さんに向けて、『四科のまとめ』の国語と社会をどのように進めていけばいいか、について書きます。
『四科のまとめ』は、一定量の知識がある子を対象としている
まず前提として、『四科のまとめ』は「チェック教材」です。すなわち、一定量の知識がある子どもが、抜けがないかを確認するためのものであり、知識を新しく身に着けることを想定して作られてはいないと思います。ですので、大方の知識を忘れてしまっている子どもが使うと、「やりづらい」と感じるわけです。
上記の画像を見ればお分かりの通り、国語であれば例文が無いことも多いので、意味の推測がしづらく取り組みづらい & 言葉を「使える」状態で身に着けづらい、という特徴もあります。
国語の『四科のまとめ』をやっていて、どの単元でも空欄と誤答が7割以上を占めてしまうという場合、市販の『漢字の要 ステップ1 マスターブック』との併用をおすすめしています。
(※ ちなみに『漢字の要』には、「ステップ1」「ステップ2」「ステップ3」があり、インプット教材として使えるのは、「ステップ1」ですので、ご注意くださいませ)
こちらであれば、例文があるので言葉が頭に入ってきやすいです。また答えがすぐ下に書いてあるので、(1) 最初に例文と答えと意味を照らし合わせながらインプット → (2) 赤シートで答えを隠して、ノートに問題を解く、というような暗記作業もできます。
欠点は、誘惑に負けてアウトプットの際に答えをチラ見してしまうかもしれない(笑)、という点にありますが、「そんな意味のないことをしてどうするんだ」と子どもに意識づけすれば、それまでの話ですので。どうしてもの場合は、親御様がコピーして答えを修正テープで隠し、問題形式にしてあげるというのもアリだと思います。
『漢字の要』と『四科のまとめ』の併用のしかた
上記の目次にある通り、『漢字の要 ステップ1』は、漢字にまつわる多くの知識・言語単元が扱われており(例:同音異義語、同訓異字、四字熟語、三字熟語、類義語、対義語など・・・)、問題量も多いです。『四科のまとめ』の十分な代わりになります。
ですので、『四科のまとめ』と『漢字の要 ステップ1』の目次を見比べていただき、(1) どちらの教材にも掲載のある単元は『漢字の要』で取り組む → (2) 『漢字の要』に掲載のない単元のみ、『四科のまとめ』で取り組む、というのが、おすすめの取り組み方です。
ただし、入試問題で頻出の単元は、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」なので、「四字熟語」は知識量を増やすために、ぜひ『四科のまとめ』でも全て取り組んでおきましょう。
『漢字の要』と『四科のまとめ』で取り組むべき範囲
『四科のまとめ』『漢字の要 ステップ1』を開始するべき時期は、お子様の家庭学習の状況や、志望校によって人それぞれですが、基本的には、(1) まず全ての単元を、小6 一学期~夏休みいっぱいで一周 → (2) 秋以降は受験校に頻出の単元だけ繰り返す、というやり方が良いと思います。
言語知識は読解においても使えるので、まずは幅広く触れておくことが大切です。特に難関校を志望している場合、一学期の段階で、入試に出るところだけ取捨選択してやっていこう、という方針を取ることは、あまりおすすめできません。
また、『四科のまとめ』は、偏差値50台前半の学校を受験するのであればA問題のみ取り組めばOKです。偏差値55以上の学校を受験するのであれば、A問題 & B問題の両方に取り組むのが無難といえます。偏差値50未満が志望校であれば、『四科のまとめ』本体をやりこむ必要はないので、塾で『四科のまとめ』の小テストがあれば、それを何度もやり直して完璧にするという方針でいきましょう。
社会の『四科のまとめ』の使い方
社会の『四科のまとめ』で、7割以上の問題が空欄&誤答になり、覚えなおそうにもなかなか進まない、という場合は、市販の『メモリーチェック』がおすすめです。←リンク先のamazonページを見ていただくとわかりやすいのですが、単元ごとに、左側には「要点まとめ」ページがあり、右側には「ポイント・チェック問題」があるので、知識のインプットには最適です。
ただ、情報量は『四科のまとめ』より圧倒的に少ないので、偏差値55以上の学校を受験するのであれば、『メモリーチェック』である程度覚えたら、必ず『四科のまとめ』にも取り組むことをおすすめいたします。
家庭教師の生徒さんを募集しております。(指導科目は国語・社会)
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