SNS、X(旧Twitter)・・・中学受験垢はどう使うべき?

中学受験「あるある」な話題について

中学受験の情報を、X(旧Twitter)といったSNSにどこまで求めていいのか? という問題があります。

結論から言うと、SNSは「一定の距離を保ちながら、眺める」ことが大切です。が、ハマってしまうと、どういう心理に陥りやすいか?、どういうリスクがあるのか? といったことを、注意喚起の目的で書きたいと思います。

SNSは、ハイリスク・ローリターン

SNSで、中学受験関係のつぶやきを頻繁に見てしまうのは、ハイリスク・ローリターンである、というのが私見です。

「ローリターン」は、ガス抜きができることもある、たまに参考になる情報が得られる、という点。そして、「ハイリスク」とは、知らない間に自分を取り込まれやすい、という点です。

SNSをやっていると、いつのまにか、他と比べる癖がつきます。「みんなできているのに、うちの子はこんなにできていない」、あるいは、「『上』を見ればキリがないけれど、まだ『下』ではないから大丈夫」

比較するのが「自分と他人」なら好きになさってください、という感じなのですが、そうではなく、比較対象が「我が子と他人の子ども」というところに大きな問題点があります。

SNSで他の人の言動に振り回されて、親が子どもに歪んだモノの見方を示してしまったり、点数が悪いとき、冷静になれなくなってしまったりしてしまうのです。

こんな例もあるでしょう。

自分の気持ちとして、そして我が子の気持ちとしても、本当は行きたい学校がある。でも、どうやらSNSの先輩ママ・先輩パパのつぶやきを見ていると、今の我が子の成績やクラスで合格するのは厳しそう。口では子どもに、「こんなにレベルの高い学校は狙わなくていい」と言いながら、成績がその学校の射程圏に入っていなければ、あからさまに落ち込む。

・・・こういったダブルバインドのメッセージを発してしまうと、お子さんに嫌われてしまう。あるいは、お子さんを精神的に不安定にさせてしまいます。

行きたい学校があるなら、目標にすればいいでしょう。「現実問題として、合格が厳しいか否か?」というのは、塾の先生といった、我が子の普段の様子を熟知しているプロに、相談し、判断してもらうべきことです。あなたのお子さんを見たこともない人が発信している情報をもとに右往左往することではないと思います。

テストを受けて、落ち着いて自分自身を見つめ直し、必要な学習をやり遂げられる子が受験では勝ちます。正体不明の他者の言動や反応を、無闇に気にすることに、なんの意味もございません。

『5ちゃ◯ねる』のようなBBSなら、話半分に見ておこうと、最初の心構えからいい意味で警戒モードになりやすいのです。が、SNSは、5ちゃ◯ねるより、露悪的ではない分、取り込まれやすく、取り込まれても自覚がわきづらいので、ご注意ください。

インターネットは「できる子の親」が書き込みやすい

また、インターネットは、何においても「できる人」の方が書き込みやすいという特徴を知っておいていただきたいです。

私は以前、ネットゲームをやっていました。そのゲームには、全ユーザー数の10%しか挑戦していない高難易度コンテンツ(※ 運営会社調べ)があったのですが、旧Twitterを見ていると、90%くらいの人がやっている、という印象を受けました。しかも、「1トライでクリアできた」「短時間でクリアした」といったツイートが目立つ。

同じような傾向は、中受界隈でも見られます。

4月と5月末、早稲アカのNN志望校別コース オープン模試が終わった直後、【NN 中受】というワードでTwitter検索してみました。すると、「受かりました」「点数よかったです」「クラス落ちちゃいました;;」というツイートしかなかったのです。つまり、Twitterには入室基準に満たない子の親がいない・・・?

NNオープンは、難易度の高いテストです。不合格の子もたくさんいるはずなのに、Twitterを見ていると、ほとんどの人が合格したかのように錯覚してしまう。みなさん「不名誉(※)」なことは書きたがらないのです。精神的に振り回されないようにしましょう。

(※ この言い方は、がんばった子どもに対して非常に失礼であり、本来は不適切な表現ですが、文脈上、便宜的にこういう書き方をしました)

「自分が子どもならどう思うか?」を考える

「そもそも論」にはなりますが、自分が子どもだったら、親が自分の受験勉強のことを、ネットに赤裸々に書いて、全世界に公開していたら、嫌な気持ちになると思います。

最近は、成績表や合格証明書などをアップロードされている方も増えてきて、そうするのが当たり前、みたいな雰囲気になっているのも驚きです。いくら名前が隠されてるとはいえ、勝手にアップされたら、自分が子どもなら間違いなくモヤモヤします。

「自分が子どもだとして、親に同じことをされたらどう思うか?」を考えてから、SNSのアカウントを作るなり、書き込むなりした方がよいです。

「でも、愚痴くらい吐きたい」、そのお気持ちはよくわかります。それなら、フォロワー0人の鍵垢壁打ち(※)すればいいだけです。(※ 「壁打ち」・・・交流主体ではなく、ひとりごとをつぶやくこと)

『くまのプーさん』に出てくる、かわいらしいクリストファー・ロビンは、作者の実在の息子がモデルです。が、ロビンの成人後、親子の関係は非常に悪化したとのこと。その話を思い出してしまいます。

まとめ

結論をまとめましょう。中受におけるSNS利用で大切なことは、次のとおりです。

(1)  正体不明の他者の言動や反応に振り回されやすくなると知っておく。
(2)  「できる子の親」が、多く書き込む傾向にあることを知っておく。
(3)  ネットに書く前に、「自分が子どもだったらどう思うか?」を一呼吸おいて考える。

  (愚痴吐きしたいなら、鍵垢での壁打ちがおすすめ)

これらを踏まえ、一定の距離を保ちながら、眺めることをおすすめします。スマホにアプリを入れず、PCだけで閲覧できるようにして、見る時間を物理的に制限するのもいいかもしれません。

ちなみに、私もツイ垢はありますが、何かをつぶやくつもりはありません。意見を述べる際には、前提となる話題や、理由を添えることが必要不可欠ですが、X(旧Twitter)の140字では自分の言説のごく一部分しか述べられないためです。今後も、ブログで情報発信をしていきます。


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