2024年度 中学入試総括 1 - 中学受験はメンタルが9割。直前期は最悪を想定すべし

中学受験「あるある」な話題について

昨日、担当する生徒の受験が全て終わりました。2024年の中学入試を通して、感じたことを書いていきます。

まず今回、第一弾の記事では「入試に向かう際のメンタル」について語ります。生徒の個人情報保護のため、ところどころをボカして書いているので、抽象的に感じられる部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。

(※ 関連記事はこちら。『2024年度 中学入試総括 2 - 「小学生は受験直前まで伸びる」はウソなのか?』 )

入試に向かう際のメンタルについて

安全な受験スケジュールを組む

未成熟な小学生にとって、試験に向かう際のメンタルは結果を大きく左右します。おそらく、読者のみなさんが考えている何倍も何倍も大きいです。ネット記事やSNSのポストを読みこんでいる方は、「まさかの不合格」について、何度か目にしたことがあると思いますが、これは、ほとんどの場合は「気持ち」が起因して起こってしまいます。

「まさか」をなくすために、まず大切なのは、受験スケジュールを考える際、塾の先生といったプロに客観的な意見を求めることです。何百人、何千人もの生徒を見てきた塾講師の知見を頼りましょう。

SNSでは、「塾の先生に、しつこく午後校をすすめられた。これは、塾が『星(合格実績)』としてカウントしたいからだ」という意見をちらほら目にします。

この推測に対して、4大大手塾の中でも、最も合格実績を追い求めているであろう塾に勤めた実体験から、申し上げたいことがあります。

非常に嫌な言い方にはなりますが、講師の給料といった査定に関わるのは、生徒が、一定レベル以上の難関校に合格した場合だけです。私の在籍していた塾では、「A中学合格で、3ポイント」「B中学合格で、2ポイント」というようにポイントが加算されていき、それが校舎全体や講師の評価につながる仕組みになっていました。ちなみに、午後校のポイントは、概ねゼロです(例外は、広尾学園くらい)。

ですので、塾の先生が午後校の受験をすすめてきた際には、純粋に「親御さんの考えた受験プランだと、危険かもしれない」という判断からすすめている、と捉えるべきです。

ただ一方で、集団塾の先生の盲点になりやすいこともあります。それは「子どもによっては、午前・午後と連続で受験することで疲れきって、次の日、集中して戦えなくなってしまう」という事実です。それに気づかないまま、午後校をすすめている先生はいると思います。塾講師時代、周囲でそういった話をしている人を見かけたことがありませんでした。また、かくいう自分も家庭教師を始めて、一人の生徒やご家庭に密接に関わるようになってから気づきました・・・。反省。

読者様のお子さんが、午前・午後通しでの入試に耐えうるかがわからないときは、1日の中で、わざと2回模試を受けてみる(自塾のテスト×他塾のテスト)のが良いでしょう。小6 一学期のサピックスオープンは午前と午後通しでやりますから、そこで我が子の疲れ度合いを確認するという方法もあります。

2月1日以降は、最悪の結果を想定して動く

今年は「最悪の場合を想定して、どう行動するか?」の大切さについて、生徒から学ばされることがありました。A君という子を担当していたのですが、彼の入試日程と発表は下記のようになっていました。

2/1  第三志望校 発表:2/2朝
2/2  第一志望校(1回目) 発表:2/3朝
2/3  第二志望校 発表:2/4朝
2/4  第一志望校(2回目) 発表:2/5朝

2月1日、第三志望校の受験直後に、本人と電話をしたところ、初めての受験のプレッシャー(1月に練習受験はしていますが、2/1本番はまた違った緊張感を持つ子は多いです)から超超超疲労困憊という口調で、その日の入試に出た問題の話題のことや、まあ受かっているとは思うがすごく不安だ、といった気持ちを話していました。そして、会話の中で、「もし明日、第一志望校の手ごたえがなかったら、受験後、どうすればいいですかね?」という質問が出たのです。

1回目の入試で気持ちがいっぱいいっぱいであろう中で、2日目の最悪の結果を想定した上で、2日と3日の試験後の時間の使い方を考えているのか、とハッとさせられました。

そこで、「明日(2/2)は、仮に第一志望校の手ごたえがなくても、とにかく、翌日の第二志望校のことだけを考えて、最後の見直しをしよう」「2/3に第一志望校の不合格がわかったとして、文系科目の手ごたえがなかったら、私と復習。理系科目の手ごたえがないのであれば、塾に行ってアドバイスをもらってきて」と話しました。

親御様にも、「もし、2/2が不合格だった場合、↑の手筈となってます」とお伝えしました。

そして、結果から言うと、【2/2の第一志望校は不合格 → 2/3にそれがわかった段階で塾に行く → 2/4で合格】となりました。2/1 第三志望校と、2/3 第二志望校も受かりました。

本人はメンタル的に非常に不安定になりやすいタイプなので、あらかじめ、「2/3に不合格がわかった段階で、塾に行く or 筆者と復習する」という行動の基準がなければ、気持ちの立て直しは難しかったと思います。そして、親御様もパニックになった彼の言動に振り回されて終わったかもしれません。

本人が最悪を想定して、あらかじめ適切な質問をしてくれたがゆえ、そういった事態は免れました。この行動が確実に合格に繋がったと思います。

実は、この子は志望校に対して、五分五分の仕上がりだったので、2/2で受かることはあっても、倍率の高い2/4は厳しいかな、というのが私の見立てでした。前日に塾で2/2の解説授業を受けて、心の底から自分の弱さを自覚し、何とかしたいと思ったようでした。私は電話と校門激励をしましたが、そこでの話しぶりからして、精神的な成長と巻き返しがあったと感じています。

私は2月1日~6日の期間、小5以下の家庭教師指導は全てお休みにさせていただいております。合格発表時刻を一定時間過ぎても連絡がない場合は電話をし、必要に応じて、すぐに生徒のところに向かうようにしています。「←をしますよ」「だから、困ったら連絡くださいね」ということは、あらかじめ各ご家庭に伝えてはいるのですが、まだまだ対応が具体的ではなかったし、いつ、どのタイミングで、どのように、塾や私を頼ってほしいかまで伝えるべきだ、と気づきました。

実際、過去にはご家庭だけで全てを解決してしようとして、泥沼にはまっていってしまった例もありました・・・。

やはり実際に入試が始まって、不合格が出ると、親御様も動揺して、冷静ではいられなくなるものです。読者のみなさんも、入試直前期の段階で、「A校に落ちたら、塾にアドバイスをもらいに行く」「B校の結果は、A校の受験が終わるまでは家族全員見ないでおく」などと、最悪を想定し、どのように行動するかを決めておくと良いと思います。こういうとき、修羅場をたくさん経験している塾は頼りになります。どんどん頼りましょう。

実は、「まさか」は模試でも起こっている

入試において「まさかの不合格」があるということは、実は、普段の模試でも子どもはメンタル面の不調やちょっとした気のゆるみで、点数を落としているものです。

小5までの算理社は決まった範囲から出題される確認テストがほとんどなので、ブレは少ないのですが、小6から全範囲になると、設問文をしっかり読んで、「この問題を解くには、何の解法を使うんだっけ?」という思い出す作業をしなければならない。すなわち、読解力と集中力がより必要になるため、メンタルの良しあしに影響を受けやすいと考えます。ちなみに、国語の場合、毎回 初見の問題を解かなければいけないので、学年に関らず、ずっと精神的なものに影響され続けますね。

たとえば、学校でトラブルに見舞われた。親と喧嘩した。そういったことで、偏差値は簡単に落ちうるのです。そういった、日々の子どもの調子の良しあしに、親御様が早い段階で気づけているのであれば、入試当日に「まさか」が起こる確率は減るようにも思います。

(※ この記事の続編は、以下になります ↓)


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