模試の合格判定が気になる。中学受験 第一志望校を諦めるべき?

中学受験「あるある」な話題について

2/1の入試まで、あと3ヶ月を切りました。この時期になると、小6 受験生のご家庭では、「今の第一志望校のままで良いのか否か?」という話題がよく挙がります。

この問いにお答えするならば、「本人 あるいは、ご家族様の受けたいように受ければ良い」ということになります。ブログ記事の結論としては、身も蓋もない話ですが、受験するのは子どもですから、ご納得はいただけることと思います。

中学受験 合格判定 20% 第一志望校 諦めるべき?

「今の第一志望校のままで良いのか否か?」という疑問は、つまり「実際のところ、合格するの?」という質問に、そのまま置き換えられると思います。

率直に申し上げれば、9月以降に模試を複数回受けて、ほとんどの回で合格判定20%(日能研 全国公開模試なら「再考圏」)が出るのであれば、合格はまず無い、と見たほうがいいです。

その辺りは、皆さまもお気づきになられているので、「2/1 午前の本命校を、もう少し下げた学校に変えるべきか・・・」とお悩みになるのではないでしょうか。

(小4~5や低学年の保護者様も、この記事を見ていると思いますので、念のため基本的な情報を書きます。例外はありますが、複数回入試がある学校であれば、概ね 2/1午前が合格する最大のチャンスです。
2/1午後、あるいは2/3といった後半戦になるにつれて、同じ学校でも倍率が上がり、受かりづらくなっていきます。そのため、2/1に合格可能性が20%の学校を受験するのではなく、別の学校を受ける、という戦略もあるわけです)

結局のところは、受けたいように受けるしかないのですが、読者様の参考にしていただくために、考え方の例を書いておきます。

子どもの学習姿勢や性格別の考え方

「子どもの学習姿勢や性格別に、第一志望校を受験させるか、諦めるか」について。考え方の一例を挙げてみます。

本人なりに努力している受験生からすれば、第一志望校を急に変えられると、「はしごを外された(親はもう自分に期待していないんだ)」という気分になり、学習のモチベーションが落ちるかもしれません。そうなると、受かるはずだった他の学校の結果まで厳しくなってしまうことも。この場合は変更しないほうがいいでしょう。

逆に、全然勉強しておらず、成績も足りていないのに「私/俺は受かる」と思っている子は、いくら小学生とはいえ、受験生としての現状認識が甘すぎます。もしくは、認識はしているものの、ある種の逃避をしているのではないでしょうか。であれば、「受からないよ」と言って現実をわからせてあげてもいいでしょう。そもそも、目指してる学校の偏差値よりも、下の学校にも良い学校はあるわけで、ほぼ確実に受からないとわかっている学校にこだわる必要もないと思います。

ただし、第一志望校を変える際は、しっかり話し合わないと、後々禍根を残すこともあるので、注意が必要です。子どもの性格によっては、進学先で勉強が上手くいかなくなった際に、「自分はあのときA中学を受けたかったのに、急に親に変えられた」と保護者様の決断のせいにし始めることもあります。

まず、親御様ご自身がどうしたいのか? というお気持ちと向きあって、気持ちの整理をしてください。

そして、子どもの学習状況や性格を踏まえて、「もしこうしたら、こういうことが起こりそう」「ああいうことが起こりそう」と想像してみてください。

最後に、子どもの気持ちも聞いた上で、しっかりと話し合っていただくことが大切です

過去問演習に時間を使いすぎないように注意

ちなみに、合格判定20%の第一志望校に挑まんとする場合、注意しなければいけないのは、「過去問演習に時間を使いすぎないこと」です。

本人の実力と入試問題のレベルがあっていないわけですから、その学校の過去問に取り組んだところところで得られるものは少ない。それなのに、過去問演習に時間を割いてしまうと、第二志望校、第三志望校の対策がおろそかになり、それらが不合格になる危険性が出てきます。

状況によりけりなのですが、基本的には、第一志望校の合格判定が20%ならば、第二志望、第三志望の過去問で安定して得点ができるようになってから、第一志望の過去問に手を出したほうがいいというのが私見です。

中学受験 合格判定 30% 第一志望校 諦めるべき?

合格判定 30%の場合、プロの目から見ると、学習のやり方次第で合格できる場合と、きわめて厳しい場合に別れます。

頭に置いておいていただきたいのは、このラインにおいては、「塾の面談で、先生から第一志望校を『反対』されなかったから、受かるのかも」と解釈してしまうパターンがある、ということです。

自分も集団塾に勤めていたからこそわかるのですが、受験生本人やご家庭の意志で決めた志望校なのですから、反対するなんてもってのほかです。内心、合格は厳しいなーと思っていても、「5回受けたら、5回は落ちます」なんて口が裂けても言いません。

「実際のところはどうですか?」と、保護者様から子どもがいない場所で聞かれたら、自分は素直に答えていました。一方で、そこまで聞かれてもお茶を濁す先生もいました。役職者でもそうです。これは自分が業界の中でも、塾生数を強烈に追い求める塾にいたからだと思います。(どこかはお察しください)

ただ、繰り返しますように、たとえプロの目から見て合格するのが厳しかったとしても、どうなさるかは、受験生本人とご家族様次第です。

ちなみに、合格判定40〜50%なら、やるべきことを正しい形でやり通し、本番に平常心で挑めれば合格は掴めます。合格判定 80%というのは、超確実なおさえ校をつくるときに使用する数字だと思っております。

まとめ:「成功体験」は作ったほうがいい

家庭教師になってからの自分も、基本的には、生徒の第一志望校を応援する立場でいます。ただし、親御様に「受かりそうですか?」と聞かれたら素直に答えています。

また、第二~第三志望なども危ういとか、受験スケジュールがリスキーだ、と感じる場合は、こちらからはっきりと提言させていただいています。よく言われている「2/3までに合格校がないと、その後の受験が精神的に厳しくなる」という一般論は、多くのご家庭に当てはまりますので、その点は細心の注意を払っています。

そして、仮に全落ちしたら公立校に行く覚悟があるにせよ、中学受験での成功体験は必ず作った方がいいです。集団塾(←中学受験部と高校受験部があった)の講師時代には、中学受験でどこにも受からず、高校受験に挑戦する子も指導してきました。その経験から、どこかしら合格したほうがいい、ということだけは断言できます。

あとは、あまりネットの声には惑わされず、何か迷ったら、いつも子どもを見てくれている塾の先生に相談しましょう。親御様も心労多い時期ですが、陰ながら応援しております。


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