家庭教師という仕事柄、たくさんのお宅を訪問していますが、「今後、この子は(少なくとも文系科目は)伸びるだろうな」というのは、部屋の様子、特にリビングルームで判断できます。
伸びる子の家は、「受験と関係のない本」が目につく場所にある
大体、リビングに本棚がどどんとあり、受験とは関係ない(←ここ重要です)さまざまなジャンルの書籍が大量にある。子どもも別に全てを読んでいるわけではなくて、興味を持った一部分を読んでいるだけなんですが、そういう子は現状の成績が多少思わしくなかったとしても、最終的には何とかなります。
最近はすっきりとしたインテリアが流行りで、新しい家には、見せない収納場所(隠す収納場所)がたくさん取り付けられていますから、本のようにごちゃごちゃしたものは、そこにしまっている方も多いと思います。
ですが、書籍は、常に目に入る位置にあったほうが、「手に取ってみようかな」となりやすいのです。家族がいつもいる部屋に、たくさん書籍があることで、本に関する話題が展開することがあるのも、子どもに良い影響を与えるのでしょう。
なぜ、本を読むことが大切なのか?
ところで、なぜ本を読むことが大切なのでしょうか? その理由は、本を読むことで、自然と「学力のベース」を身に着けられるからです。具体的にいうと、語彙力、文章理解力(※)、それに追随する思考力。
かの有名な佐藤ママも「幼稚な言葉からは、幼稚な思考しか生まれない」と言っており、子どもの幼少期には本を読み聞かせしたそうです。(佐藤ママに関しては、個人的に色々と思うところはあるのですが、)私もこの言葉には完全に同意できます。
※ ここでいう文章理解力とは・・・難解な国語の文章を、論理的に構造を捉えながら読むということではなく、「普通に文章を読んで、普通に内容を把握する」ということです。実は、この「読む」という一見当たり前の動作が身についていない小学生は多いです。
もちろん本を読むことが、成績向上に直結するわけではありませんが、読んでいる子と読んでいない子とでは素地が違ってしまっているというのが、様々な生徒を見た中で確実に言えることです。国語であれば、「論理的な読み方・解き方のテクニック」を活用できるだけの下地が整っており、成績アップまでは本当にあと一押しといえます。
また、社会であれば、一人でテキスト内容を理解できるようになるので、自学自習が進みますし、歴史におけるストーリーの流れや、公民のような抽象概念も深く理解できるようになります。
小学生は、文章を読むこと自体を面倒くさがる子も多いです。平易な内容ならともかく、中学受験の文章は長く、子どもにとっては難解なのでそうなってしまいます。
ですので、長文を読むという行為自体が苦ではなくなって、「とりあえず読んでみようかな」という前向きな気持ちになるだけでも、読書の効果は大きいわけです。そして、「今日やる国語のテキスト、どんな文章か楽しみ」とまで言い始めたらしめたもの(笑)です。世の中、そういう子もいます。
「日常生活での関わり」に気を付けることが大切
色々なご家庭から、「国語・社会の勉強において、家庭でできることはなんですか?」という質問をよく受けます。直近のテストで点数をいかに取らせるか? ということを考えていただくよりも、読書を通して家族で会話する、といったような日常生活での関わりに気を付けていただくほうが、本当に何倍も大切です。
自分も家庭教師として指導する際は、科目としての文章の読み方・解き方や、テストでのテクニックを教えつつ、同時に「学力のベース」を底上げするために、読書ほか、日常生活から子どもに色々と取り組んでもらうようにしています。
今、行き詰まりを感じるのであれば、騙されたと思って、親御様自身が好きな本・興味ある本(小説や新書といった活字の長文)を、子どもと一緒に読んでみてください。そうしていくうちに見えてくる景色はあると思います。
家庭教師の生徒さんを募集しております。(指導科目は国語・社会)
詳しくは以下の「筆者プロフィール」のページをご覧くださいませ。
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