中学受験 偏差値問わず不足しがちな国語力「文章をイメージ化する力」について(1)

「国語」の指導・学習法

中学受験において、国語の成績が上がらない原因は、お子さんそれぞれ。その子が、普段どういった読み方をしているか? 今まで、どのような「言葉」にまつわる生活を送ってきたか? どのような点でつまずいているのか? そういったことを見極めるのが、教える際には大切だと考えます。

「この子は、四谷偏差値65。国語は得意な方だ」→ 「だから、○○○○なんて、初歩的なつまずきをしていることはあり得ない」という理屈にはならないのが、小学生の国語指導における難しいところです。成績的にはハイレベルな生徒でも、大人からすると、実に意外なところでつまずいていたりします。

そこで、今回の記事では、偏差値の高低に関わらず、子どもに不足しがちな力である「文章を、頭の中でイメージ化(具体化)する力」について述べたいと思います。

「50gの重りが3つある」という文がわからない子

「文章を、頭の中でイメージ化(具体化)する力」とは、そもそも何なのでしょうか? 国語よりも、算数の文章題で例をあげた方がわかりやすいので、そちらで説明しましょう。

「50グラムの重りが、3つあります。」

算数において、このような文章を読んだ際に、「重りが3つある」というイメージが頭に思い浮かんでいない子がいます。小学3~4年に多いです。また高学年でも、非常に国語を苦手としている場合は、このパターンに当てはまる傾向にあります。

仮に「重りが3つ」くらいのことは頭に浮かぶとしても、物語文において、登場人物が何人いるか、それぞれどんな属性(性別、年齢、職業など)であり、どんな見た目か、どんな表情をしているのか、イメージ化できない子は、私の体感ではかなりいます。

要するに、字面を絵のように表面的に追うだけで、「読む(=内容を理解する)」ということが、どういうことなのかがわかっていない状態です。

この状態であるか否かのチェックポイントは、以下の通りです。(プロ視点だと他にも気付くポイントはありますが、どなたにでも判別しやすい観点を紹介します)

1.(算理社において)一度解けていた問題と、類似している問題であっても、文章内容が少しでも変えられてしまうと、途端に解けなくなる。

2.(国語において)明らかに大人から見て、その子が理解するには難しそうな文章においても、読後、「ちゃんと読めた」と言う。

この状態を放置すると、国語の成績はなかなか上がりません。また、算数の場合は、文章を理解できていなくても、反復演習によってパターンを暗記し、数値を当てはめれば解けてしまうことも多く、課題点がなかなか見えてこない怖さがあります。

読んだ文章を「イメージ化」させる3つの方法

(1) 「何が3つあるの?」「これって金色の重り? それとも、銀色の重り? 文章からはわからないけれど、どっちだろうねw」等と、「イメージ」が浮かぶような問いかけを繰り返す。 (「何が3つあるの?」だけ質問すると、何も頭に思い浮かべず、言葉尻だけ見て、「50グラムの重り」と答えて終わりになるので注意)

(2) 文章の状況をイラストとして描いてあげる。

(3) 目に見える物体を用意して、文章と同じような状況を作って見せる。(今回でいえば、「50グラムの重り」と書いたシールを貼った消しゴムを、3つ用意する)

お子様がこの段階で詰まってると見られる場合、まずは上記の方法で、解きほぐしてあげてください。

中学受験の国語(特に説明文)の場合、先に書いた例より、文章が抽象的ですので、また違った難しさが出てきます。記事の後編では、「抽象的な文章を具体化する力」について説明しましょう。

【※ この記事の後編は以下です。】


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