こんにちは。中学受験の家庭教師 鳥山と申します。
国語の成績が伸び悩む理由は、本当にさまざまです。「設問形式が苦手」「語彙が足りない」「読書量が少ない」。よくある悩みの陰に、意外と見落とされがちなものがあります。
それが、「読んだ文章を、頭の中でイメージ化する力」の不足です。
今回の記事では、この力について解説した上で、ご家庭でできるトレーニング方法をお話しします。
「50gの重りが3つある」という文がわからない子
「文章を、頭の中でイメージ化(具体化)する力」とは、そもそも何なのでしょうか? 国語よりも、算数の文章題で例をあげた方がわかりやすいので、そちらで説明しましょう。
「50グラムの重りが、3つあります。」
算数において、このような文章を読んだ際に、「重りが3つある」というイメージが頭に思い浮かんでいない子がいます。小学4年生以下の子に多いです。
また高学年でも、非常に国語を苦手としている場合は、このパターンに当てはまる傾向にあります。
「重りが3つ」くらいのことは頭に浮かぶとしても、物語文において、以下が理解できていない子は、私の体感ではかなりいます。
・登場人物が何人いるか。
・それぞれが、どんな属性(性別、年齢、職業など)であり、どんな見た目か。
・どんな表情をしているのか。
要するに、字面を絵のように表面的に追うだけで、「読む(=内容を理解する)」ことが、どういう行為なのかがわかっていない状態です。
この状態であるか否かのチェックポイントは、以下の通りです。
1.(算理社において)一度解けていた問題と、類似している問題であっても、文章内容が少しでも変えられてしまうと、途端に解けなくなる。
2.(国語において)明らかに大人から見て、その子が理解するには難しそうな文章においても、読後、「ちゃんと読めた」と言う。
この状態を放置すると、国語の成績はなかなか上がりません。
また、算数の場合は、文章を理解できていなくても、反復演習によってパターンを暗記し、数値を当てはめれば解けてしまうことも多い。
そのため、課題点がなかなか見えてこない怖さがあります。
読んだ文章を「イメージ化」させる3つの方法
お子様が「イメージ化できていない」と見られる場合、下記の方法で、解きほぐしてあげてください。
(1) 「何が3つあるの?」「これって金色の重り? それとも、銀色の重り? 文章からはわからないけれど、どっちだろうねw」等、「イメージ」が浮かぶような問いかけを繰り返す。
→ 「何が3つあるの?」だけ質問すると、何も頭に思い浮かべず、言葉を適当に拾って、「50グラムの重り」と答えて終わりになるので注意。
(2) 文章の状況をイラストとして描いてあげる。
(3) 目に見える物体を用意して、文章と同じような状況を作って見せる。
→ 今回でいえば、「50グラムの重り」と書いたシールを貼った消しゴムを、3つ用意する。
まとめ
読解とは、頭の中で物語を「再現」する作業です。誰が出てきて、どこで、どんなふうに動いたのか。それが見えなければ、問題にも答えられません。
文章の世界が、色や形を伴って、お子様の頭の中に浮かび上がるようになったとき、はじめて本当の意味で「文章が読めた」といえるのだと思います。
その第一歩として、今回、ご紹介した方法がお役に立てば幸いです。
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