中学受験 国語、記述問題の苦手を無くそう!- 部分点を半分取る方法

「国語」の指導・学習法

中学受験において、国語の記述問題が書けない、点が取れない、ということでお悩みのご家庭は多いはずです。そこで、原因分析と対策についての記事を書くことにしました。

今回は、国語を苦手としている子が、【部分点を半分取る】ことを目標に、家庭学習のヒントとなりそうなことを書いていきます。

まずは、「記述問題に手が付けられていない」「手はつけられているが、答えがおかしい」といった現象の原因分析をしてみました。

考えられる原因1:本文内容が理解できていない

そもそも、本文が理解できていなければ、記述問題も解けないわけですが、ご家庭で国語を教えられている保護者様は、意外とこの視点が抜け落ちやすい気がしています。「表面的な話の流れはざっくりと把握できているから、本文は読めているのだ」というお考えでいらっしゃるようです。

読書であればその読み方で良いのですが、国語の読解の場合は、要所要所を、考えながら注意深く読み取る必要があります。そうしないと、結果として設問は解けません。

「要所」とは、たとえば、登場人物の心情(=本文には明示されていないことがほとんどで、出来事や言動から推測する必要がある)因果関係(=何が理由で何が結果かを、認識できなければ読み取れない)抽象例と具体例(=因果関係と同様に、認識できなければ読み取れない)なんかがそれに当たります。

この場合、記述指導の前に、読解指導をすることが先決です。なお、「因果関係」「抽象例・具体例」は、概念の理解が大切になるので、子どもの状態によっては、そこに焦点を当てて対策する必要もあります。

たとえば、以下のテキストは、学習を進めやすいと思います。「ご家庭向け」に問題作成の意図が載っているので、読み込んでいただければ、お子様の指導の際の参考にもなるはずです。

★ 『はじめての論理国語』 出口 汪  https://www.amazon.co.jp/dp/4864700508/

考えられる原因2:問題を理解していない

「うちの子、問題読んでいないんですよ」とは、保護者様からよく聞かれる言葉です。しかし、「問題を理解していない」という現象にも色々あります。

誰にでもわかりやすいのは、ごく単純な読み落とし・読み間違い。せっかちな性格の子や、活字に触れた経験が少ない子ほぼ国語の授業でしか活字を読んでいない子)に多いです。

たとえば、「太郎の気持ち」が聞かれているのに、「次郎の気持ち」を答えてしまう。この場合は、生徒に問題を読ませたあと、逐一、「何が聞かれてるの?」「誰の気持ち聞かれてるの?」と聞き続けると、読み落としは減っていきます。

他にも、先述した因果関係の概念理解が甘い子も、結果として「問題が読めない」という事象を引き起こします。

問題の問う「なぜですか?」と、答えるべき「理由」の関係性が腹落ちできていないのです。具体的で平易な話における因果関係は理解できたとしても、話が抽象的になるとわからなくなってしまうのも、よくあることです。

考えられる原因3:答えがわかってはいるが、書けていない

答えがわかってはいるが、書けていないときは、(1) 能力的な躓き(2) 精神的な躓きの2つが考えられます。

能力的なつまづき

「能力的なつまづき」の例をあげましょう。これは、書くべき要素は頭の中で思い浮かんでいる。しかし、何から書けばいいかわからないという躓きです。

その場合、私は以下のような手順を踏ませます。

1.  結論部から考える(問題の答えを、超簡単に一言で言ってみる)
2.  結論部を文末に持ってくる
3. その他の要素を、結論の上にプラスする

あとは、いざ書き始めたとしても、最初の部分を書いているうちに、中間部や結論部に何を書くべきか忘れてしまった、ということもあるでしょう。

この場合、(本文中の)記述で使いたい箇所に、線を引くという対処法があります。上手くいきそうなら、これをやらせればOKです。しかし、回答のリズムやテンポを崩したくない子は、線は引きたがりません。読者様のお子さんの中にも、「線を引きなさい」と言い続けているのに、頑なに引かない子もいるのではないでしょうか。

私の指導では、線が引けない場合、多少日本語が崩れてもいいから(日本語の組み立てが上手でない子は、キレイな文を書こうと気にしているうちに、肝心の書く内容を忘却することもある)、スピード感を持って、脳内にあることを全て一気に書かせる、といった対応をとらせることもあります。

読者様の何かしらの参考になるかな、と例を挙げてみましたが、もちろん、これが全ての子における最善策ではありません。躓きは子どもの数だけ種類があって、状況によりけりの対応が大切です。個々の事例の分析や対処は、自分の家庭教師としての腕の見せ所だと思っています。

精神的なつまづき

次に「精神的なつまづき」についてです。これは「完璧な答えじゃなければダメだ」と思い込み、手が動かないパターンです。

背景に、親御様が子どもの書いた答えに対して、ダメ出ししている事例が散見されます。

親御様の影響を受けて、子どもが上記のような完璧主義に陥った場合、修正には非常に時間がかかります。ですので、もしダメ出しをされているご自覚があれば、「記述が書けたら、内容は何であれ、とりあえず褒める」というスタンスに切り替えていただく必要があるのです。

また、親御様に原因は無く、子ども自身の、テスト戦略への無理解が引き起こしているパターンも。

記述問題は、配点が大きいです。しかも、書けば部分点が入る可能性があり、書かなければゼロ点。書いた方が得に決まっています。しかし、子どもによっては、そういうテストにおける損得が理解できておらず、答えがわかっていても、なんとなーく空欄にしていることもあるのです。

特に低学年の子にはありがちですし、高学年でも、受験勉強を始めたのが遅い子には起こりえます。その場合は、丁寧に「こうしたほうが得だよね?」と説明してあげてください。


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